Archive for 1月, 2018

開幕が近づく平昌五輪 通信の新技術・5G(第5世代移動通信システム)への注目が集まる

平昌五輪をきっかけにICT関連の新技術への注目が高まることです。米国大手半導体メーカーのインテルや韓国の通信事業者であるKTは、5G(第5世代移動通信システム)に関する大規模な展示や試験サービスを協業して行う予定です。また、韓国政府も平昌五輪を韓国のICT技術を世界に発信する好機として捉え、五輪会場において5G、IoT、AI、VRなどの先進技術を活用する取り組みへの支援を強化しています。このため、開催期間中には様々な用途事例のレポートが現地から報道される機会が増えてくることが予想されます。ちなみに、5Gは現在主流のLTE(4G)よりもさらに高速で大容量なデータ伝送を、スマホで、スタジアムのように大勢の人が集まる場所でも可能とする技術です。現時点では3GPPと呼ばれる業界団体が世界標準の仕様について協議中ですが、各国キャリアはそれに先立ち2019年頃の商用化への動きを活発化しています。よって、今回の冬季五輪での実証実験の結果に対しても大きな注目が集まることが予想されます。

一家に1台、ロボット、AIミラーが入る時代が来る!?

これからは一家に1台、ロボットを所有する時代になる――そんな時代を予兆させるような最新技術動向を取材してきました。千葉県の幕張メッセで10月初旬に開催された家電製品関連の総合展示会「CEATEC JAPAN 2017」です。自分たちの生活を変えてくれそうな未来の家電たち。AI(人工知能)を搭載したスマートミラーなどは、ゴルフのスイングもチェックしてくれるんです。NTTドコモグループのブースでは、シャープの液晶ディスプレイを用いた8K映像によるパノラマVR(仮想現実)技術を参考展示していました。VRはもちろん、4Kですら一般的には完全に浸透しきっていないのですが、そのさらに上をいく「8K/VR」というのは未来感がすごいですね。ユーザーが見る方向に合わせて8Kの映像を表示するのは相当大変そうですが、視界に映っている部分だけを高解像度で表示することで処理速度の問題をクリアしているそうです。体感した映像は、鴬谷に実際にある「キネマ倶楽部」というライブ会場で10人ほどのダンサーが輪になって(ユーザーを取り囲むような形で)踊る映像がすごいですよ。

ユニバーサル、音楽プロモにVR/ARを本格導入。Withinと提携して次世代のミュージックビデオへ

ユニバーサルミュージックグループが、VRスタートアップのWithinとの提携により所属アーティストの音楽作品に関連するAR/VRコンテンツ製作を行うことを発表しました。これはMTVからYouTubeへと移行したミュージックビデオ(MV)の新形態となるかもしれません。ユニバーサルとWithinは最近、ケミカル・ブラザーズの「Under Neon Lights」をWebVRを利用したVRコンテンツに仕立て上げ、臨場感と没入感をファンに提供していました。さらにOneRepublicのシングル曲”Kids”の360度VRバージョンも制作しました。このパートナーシップを拡大する格好で、両社はユニバーサルミュージック契約アーティストの新作プロモーションに大々的にAR/VRを取り入れていく方針ということです。発表では、WithinがiOS、Androidといったスマートフォン向けやOculus Rift、HTC Vive、Sony PSVR、Google DaydreamといったVRコンテンツゴーグル向けのアプリをWithinが用意されるということです。

シンガポールが国土を丸ごと「3Dデータ化」する理由

バーチャル・シンガポールがスタートしたのは2014年。リー・シェンロン首相が推進する、デジタル技術を活用して国民の生活を豊かにする構想「スマートネイション」の一環です。プロジェクトを主導するのは、シンガポールの政府機関である国立研究財団(NRF)、シンガポール土地管理局(SLA)、情報通信開発庁(IDA)。また、ソフトウェア開発の仏Dassault Systemes(ダッソー・システムズ)が民間企業として唯一参加し、3Dモデル上でさまざまな都市向けシミュレーションが可能なアプリ「3D EXPERIENCity」を提供しています。仏Dassault Systemes(ダッソー・システムズ)で3D EXPERIENCity事業のバイス・プレジデントを務めるアレクサンドル・パリルシアン氏に話では、「仮想空間上に都市を再現し、3Dモデル上でさまざまなシミュレーションができるアプリを導入することで、道路やビルを新設した場合の車の流れの変化や、工事の進行度を可視化できる。こうした情報は、異なる省庁のスタッフがリアルタイムで共有できるため、渋滞緩和策の立案や工事の効率化につなげられる」だそうです。